「現象のメカニズムを解明し、更なる高品質を目指す」

■PROFILE

村上 久美子

研究職 切断メカニズムのシミュレーション解析

マイクロシステム工学研究科 修了

2007年 中途入社

■JOB

ツール(スクライビングホイール)の研究開発部門にて、ガラスなどの脆性材料の切断のメカニズムの解明を担当。より高品質な切断を実現するための基礎研究として、数値シミュレーションを行い、それを実験結果と照らし合わせることで、切断時にスクライビングホイールの真下でどのような現象が起こっているのかを分析・解明。

その結果が、製品の改善や新たなホイールの開発につながっている。

INTERVIEW

■仕事の難しさ、面白さや、仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

数値シミュレーションを行えば何でも分かると思われがちですが、結果が妥当かの判断、結果から知りたい内容を読み取れるスキルも必要となります。

ですので、数値シミュレーションを実行できるだけでなく、構造力学や材料科学などその結果を読み取るベースとなる様々な知識が必要となり、まだまだ勉強中です。

またシミュレーションから得た理解を、他の人へ伝えることの難しさもあります。社内の人でも、それぞれ専門分野やバックグラウンドが異なるので、いかに解りやすく伝えられるかはいつも難しい課題です。

この仕事を始めた頃に比べると、かなりホイールスクライブのメカニズムが分かってきました。最初は謎だった現象が”こういうことだったのか!!”と理解できた瞬間がとても嬉しいです。

そして、理解できていない現象を”なぜだろう?”と考えて、探っている時間も地味ですが楽しいです。パズルを解いているような感覚です。

■仕事での失敗談などあれば、お願いします。

数値シミュレーションでは、解析に数日かかる場合もあります。ですので、長期連休中に解析を実行しておこうと、休み前に解析を仕掛けておくのですが、解析が始まってすぐに止まっていたことがあります。

連休明けに会社に行って確認して止まっていたときは、次の仕事にも遅れが出るので、大変でしたね。他にも、後でよく考えたら設定条件が間違っていたことに気が付き、数日かけた解析をやり直し・・・ということも。それからは、今まで以上に事前準備と確認を徹底するようになりました。

■MDIの良いところ、魅力はどんなところですか?

部署や仕事内容にもよるとは思いますが、子育てしながら働きやすい環境です。私自身も入社後、二人の子供で産休・育休を取り、現在は短時間勤務制度を利用中です。毎日、仕事と育児で忙しいですが、何とかがんばっています。

仕事の面では、スマートフォンのディスプレイやLEDなど、身近な製品に関係する切断技術に携わっているので、自分も社会に役立っているかなと感じられるところが良いところだと思います。

 

■将来の目標はありますか?

今のところ、現場で起きている現象がなぜなのかを後追いで解明するパターンが多いのですが、今後は、シミュレーション結果を用いて、”こんな形のツールが良いのではないか”、”こんな方法もあるよ”など、こちらから提案ができるようになることが目標です。道のりは長いですが、少なくともガラスのホイールスクライブのメカニズムは完璧に把握したいと思っています。

 

 

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