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加工技術を支える開発

理論化とシミュレーション

創業以来の脆性材料加工の知見、ノウハウを活用し、開発を行っていますが、加工現象の理論的に理解することにも力を入れています。
加工現象を理論的に類推することで、新素材の加工も短納期で開発可能です。
理論をベースにしたシミュレーションが短納期開発を支えています。

 

加工現象の観察

加工現象を理論的に説明するためには、現状の精密な観察が欠かせません。加工状態をさまざまな角度から観察した結果を蓄積し、それらの状態がどのような理論で発生するのかを推測する必要があります。

電子顕微鏡などによる観察画像の特徴を数値化することも重要です。また、観察では把握できない加工物内の状態(熱や応力など)も観察する必要があり、特殊な分析手法を用いてデータ化しています。

 

ツール加工理論

ツール加工は、ツールを接触させ、被加工物を塑性変形させる加工です。

その中で切断加工は、発生した塑性変形によって亀裂を生成し、ガラスなど脆性材料を切断する技術です。
例えば、ガラス基板にスクライビングホイールを押し当ててスクライブすると、ホイールが接触した基板表面で塑性変形が生じ、スクライブ線に沿って深い亀裂が発生します。この時の亀裂深さや切断面状態などは、ホイール形状など様々な条件によって変化します。より良い加工を得るために、基板にどのような変化が起こり、亀裂の発生へと至るのか、実験観察やシミュレーションを通して理論的な理解を進めています。

 

レーサー加工理論

レーザー加工と一言で言っても起こる現象は様々です。レーザー照射するとレーザー波長によって電子状態が励起されたり、振動状態が励起されたりと異なった励起状態が生じます。更にレーザーのパルス幅が短い場合には、多光子吸収やトンネルイオン化といった非線形現象を引き起こすこともあります。励起された物質は、温度上昇して蒸発したり、電子が脱離してイオン化されたりといった過程を経てレーザー加工されます。これらの過程について様々な研究がされており、理論的な理解が徐々に進んできています。

一例としてガラスの熱応力亀裂進展加工(レーザー加熱後にウォータージェットで急冷することでガラスを切断する加工手法)では、加工時のガラスの温度状態から、ガラス内部の応力状態をシミュレーションしてその切断原理を理論的に解析しました。

 

シミュレーション

シミュレーションを適切に行うことで、加工現象を理解する上で重要な情報を得ることができます。ツール加工ではホイールと基板の微小な接触領域の応力分布、レーザー加工では固体内部の温度分布など、観測が難しい物理状況の把握が可能になります。

また実物の加工観察では様々な要因を含むため、観察結果だけから加工現象を理解しようとすると難易度が高くなります。そこでシミュレーションによって、コンピュータ上で条件を整理して得られた結果と観察結果を合わせて考察することにより、加工現象をより深く理解することが出来ます。