【論文掲載】Formation mechanism of two different crack surfaces in a median crack formed by scribing wheel
International Journal of Fractureで、当社社員の論文が掲載されました。
掲載概要
- タイトル: Formation mechanism of two different crack surfaces in a median crack formed by scribing wheel
- 著者: 三星ダイヤモンド工業株式会社 村上 久美子
- 公開日: 2025年7月25日
- 収録刊行物: International Journal of Fracture
- 抄録:スクライビングホイールによって形成されるメディアンクラックには、二種類の亀裂表面様相が観察される。縞模様を伴う亀裂面と滑らかな亀裂面が形成され、その境界には明瞭な亀裂停止線が形成される。本研究では、亀裂表面の変化を制御するメカニズムを調査した。ホイールスクライビングによるメディアンクラックは、軸応力とせん断応力で構成される対称応力場内を進展する。数値解析により、縞模様を伴う亀裂と滑らかな亀裂が形成される領域ではせん断応力の方向が変化することが明らかとなった。亀裂進展方向と対称せん断応力方向の組み合わせに応じて、亀裂は対称面に向かって進展する場合と対称面から逸脱する場合がある。これらの亀裂進展特性が亀裂表面の外観に差異を生じさせた。応力拡大係数に基づく亀裂挙動の推定により、スライビングホイール後方で亀裂が一時停止する領域が存在することが予測された。この亀裂停止が、明瞭な亀裂停止線を形成した。本研究は、適切な方向に対称せん断応力場を生成することで、亀裂進展挙動と亀裂表面の形状を制御できることを示唆している。
- 掲載URL:https://link.springer.com/article/10.1007/s10704-025-00871-1