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MDIの加工技術

スクライブ&ブレイク加工の特徴

スクライブ&ブレイク加工は加工素材の物性を利用した切断加工方法です。そのため、水を使用しないドライ加工であり、加工速度も高速化が可能です。素材の物性(特に結晶方位)に大きく影響されるため、加工のプロセス条件を見出すことが難しい側面を持っています。

スクライブ方法(メカニカル、レーザー)

MDIのスクライブ方法は、ダイヤモンド工具によるメカニカルスクライブとレーザー照射によるレーザースクライブのいずれにも対応しています。

メカニカルスクライブは、超薄板ガラス向けの高精度固定刃のSOLID-D®やホイール形状のスクライビングホイール、その稜線に溝加工をした高浸透(深い垂直クラック)のPenett®、安定した内切りが可能なAPIO®、カレットを低減できるRyuなど、加工材料にあわせ、さまざまな形状のツール(工具)を開発しています。さらに、材質や角度、溝数(分割数)、溝深さなどを組み合わせることで最適なスクライブを実現できます。

レーザースクライブはレーザーアブレーションを利用したスクライブ方法です。レーザースクライブも加工材料にあわせ、レーザー波長、出力、繰り返し周波数などを最適な条件で組み合わせています。
加工材料や切断品質レベルによって、メカニカル、レーザーを選択し、それらの最適なプロセス条件を設定します。
加工材料によってはブレイクレスとすることも可能です(品質要求レベルによる)。

 

ブレイク方法

ブレイクはスクライブで形成された垂直クラックを進展させることで切断(分離)する工程です。スクライブ状態にあわせてブレイク方法を選択する必要があります。高い切断品質のためには、スクライブとブレイク、それぞれが加工材料に適切な条件になっていることが必要です。
受け刃で支え、ブレイク刃で押し下げる、3点曲げブレイク、基板を傾ける、傾動ブレイクなどは一般的ですが、特殊な弾性体で支持した基板をブレイク刃で押し込むVM SEPARATION®や超音波の振動を利用するもの、ロボットによる手割を再現するものなどがあります。
また、レーザー照射によってクラック(亀裂)を進展させることも可能で、適切な波長のレーザー照射によるレーザーブレイクにも対応しています。さまざまな手法で高品質な切断を実現します。
完全分離のために、ブレイク後にエキスパンド処理を行うこともあります。

 

スクライブ&ブレイクの基本特性

スクライブ&ブレイク手法は、ガラスのような硬くて脆い材料(脆性材料)を切断する切断方法として古くから行われてきた手法です。脆性材料の特性(物性)を活かし、1次クラックを生成し、それを進展させることで切断する方法で、高品位な切断には職人技が必要でした。

MDIでは職人さんが使用するガラスカッターの製造ノウハウを活かし、さまざまな脆性材料を高品質で切断加工できる技術を開発しています。

この手法の基本的な特性は、水などを使わない完全ドライ加工であること、スクライブラインは数μmの幅しかないため、加工に必要な幅が極めて狭いこと、物性に従った切断方法のため、高速切断が可能であり、その切断面は結晶面(結晶構造材料の場合)なので、サイドクラックがほとんど発生しないことが挙げられます。高品質な切断のため、基板の曲げ強度が高い傾向なのも特性の1つです。

 

微細加工への対応

電子部品デバイスは技術進化に伴い、基板がより薄くなり、製品はより小さくなってきました。

スクライブ&ブレイク手法は、それらの薄い基板の小チップ切断にも適しています。加工時の振動も少なく、チップが飛んでしまうようなこともほとんどありません。加工に必要な幅(ストリート幅)を狭くすることができるので。製品の取り数も増やすことができます。

 

曲線加工への対応

スクライブ&ブレイク手法は直線だけでなく、曲線切断加工も可能です。その応用で曲面への加工(3D加工)にも対応しています。メカニカルスクライブの場合は、高品質で切断できるのは半径3mmまでの曲線となりますが、レーザースクライブでは更に小さな半径での切断が可能です。

複雑な形状の切断加工の場合は、スクライブよりもブレイク(分離)に問題が発生しやすくなります。亀裂(スクライブによる1次クラック)が進展するときに、スクライブラインからズレるケースが発生します。そのため、加工材料の不要部分にスクライブラインを入れ、ブレイク品質を上げる必要があります(捨て切り)。

スクライブ品質とブレイク品質、それぞれが切断品質を左右します。